流れ星を見た夜。ジニー社長が死について教えてくれていたこと

ジニー先代社長は私に何でも話してくれました。「死」についても話した事があります。実はフォガティ不動産で務めてから、数名の方の「死」というものに直面しました。あまり経験のない私は、よくわからず、少し怖く感じていました。

ある朝一番に、仕事上のお付き合いのある方の急死の連絡がジニー社長入りました。「てるよさん、○○さんが亡くなったわ！」とジニー社長から連絡が入りました。私は経理で、まるで兄のように慕っていた方の急死だったので、頭が真っ白になり、ただただ愕然と経理室の机で泣いていました。今思うと、最初にその一報を聞き、さらに社員に伝えなくてはいけなかったジニー社長はよほど、辛かったと思います。

それでも私が泣き崩れると、「大丈夫、大丈夫」と優しく包んでくれました。告別式の案内が届きましたが、とてもじゃなく行ける状態ではなかった私に、ジニー社長は真っ先に「てるよさん、あなたは行かなくて大丈夫よ。私と夫で参列してきますね」と伝えてくれました。このように、いつも私を守ってくれるジニー社長でした。

しばらく時が経ってから、まだ「死」をきちんと受け止めることができない私に、そっとお話してくださいました。
「私もね、お父さんが亡くなった時に、本当に動揺したのよ。当時、日本からお父さんが危ない状態だからそろそろ帰ってきた方がいいと連絡が入って、すぐにホノルルから東京まで飛んで、一泊してから、福岡まで移動したのよ。当時は便数も少なく大変だったわ。そして福岡からタクシーで大分県のお父さんの入院先に急いだの。病室へと急ぐと、看護部さんが淡々と『先ほどお帰りになりましたよ。』と言うのよ。それで、良かった、お父さん回復したんだ、無事に退院できたんだと、ほっと肩をなでおろして、自宅へまたタクシーで向かったのね。嬉しかったわ、無事にお父さんが退院と聞いて！　タクシーを降りて、『お父さん～！三千代よ、お父さんハワイから来たわよ！お父さん～！』と部屋に入ると、冷たくなったお父さんが白い布に覆われていたの。本当にびっくりしたわ。驚く私に妹が、先ほど息を引き取ったというの・・・。しばらく、何が起こったのかわからず頭が真っ白になって、同時に怒りがわいてきたわ。さっきの看護婦さんのお帰りになったって表現はおかしいんじゃないの！？勘違いするじゃない、いや、日本語がおかしいじゃない！」と私に当時の辛かったお話をしてくださいました。

それからハワイに戻り落ち着いた頃に、ハワイの夜空を見て、静かに、ゆっくりお父さまを偲んだとのことです。死からの悲しみというものは、時間が経ってから来るものだと私も思います。ジニー社長は、「てるよさん、人が亡くなったっていうと悲しいじゃない、でも、ある方がしょんぼりしていた私に言ってくれたの、『ジニー、あなたのお父さんはお星様を探しにいっているんだよ…』」と。ふっと悲しみが消えて、涙も止まったわ、それからね、お父さんを想う時は夜空のお星様を見上げるようにしているのよ」と。星のようにキラキラした眼差しで私に話をしてくださいました。

ジニー社長は2022年10月27日に永眠いたしました。その日の夜は私はカリフォルニアのフラの大会を直前に控えていて、レッスンがありました。生前、何度も容態を考えて大会出場をキャンセルしようとしましたが、「必ずその大会には出なさい、フラを休んではいけません」と私に伝えてくれていたからです。

亡くなった日の夜に、頭の中はジニー社長のことでいっぱいでしたが、ハラウ（フラのレッスン場）の外のプールサイドでフラシスターとオリ（フラの古典でダンス前にハワイ語で唱えるもの）の練習をしていました。プールサイドは真っ暗ですが、夜空の星がとても綺麗でした。皆で夜空の星に届くかのようにオリを唱えた時に、ピュ～ンと流れ星が流れました。フラシスターも皆気が付くほどの綺麗な星でした。同時に急に私の頬に涙がつたってきて、ジニー社長に間違いないと感じました。すぐに、先ほどのお父様の話を思い出しました。流れ星となって見守ってくれているに違いないと私は信じています。

その後、ジニー社長の事もよく知っている親友にお話ししたら、「てるよさん、多分ジニーさんは星を探してるだけじゃなくて、嬉しそうに売っているわよ、きっと忙しくしているわよ」と、ユーモアを交え、笑っていました。

フラの大会の日、カリフォルニアの黄色のイチョウの木をバックに、まさにそこにジニー社長がいるかのようなハートの写真が撮れました。その写真がこれです。ジニー社長はいつも見守ってくれていると信じています。

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