緊急時こそチャンス?!ハワイの不動産管理トラブル

あるコンドミニアム高層物件のオーナー様との事例です。投資物件として、そのお部屋にはテナントに貸していました。ある週末に、下の階への水漏れが発生しました。テナントは普通に生活していて、レジデントマネージャーから連絡が来るまで気づきませんでした。

 

ビルディング・マネージャーが部屋に来て、テナントに「あなたのユニットから下に水が漏れています!」と告げられ、テナントから当社に緊急で連絡が入ったのです。

 

すぐに、水道業者とビルディング・マネージャーで止水をして、被害を最小限に留めました。
実は、業者を緊急で呼んだだけで$400はかかります。これは仕方のないことですが、「仕方がない」とオーナーにそのまま伝えるのではなく、状況を第一にきちんと報告することがポイントです。

 

何日の何時に何が起こったのか? その時、どのように対応したのか?緊急性の程度、原因、責任の所在など順を追って明確にし、そこで支払うのが誰かにつながります。そのようにして、まず物件所有のオーナー様から状況理解を得ます。どうしても水道業者を呼ばなくてはいけなかった理由を伝えます。

 

正しい状況判断をするためには、現場に担当者がかけつける必要があります。
余談にはなりますが、他社で管理を依頼されていたIご夫妻様は、以前お部屋から水漏れした際に、週末は休暇で管理会社に連絡しても電話に出ない、個人情報だからと携帯電話番号も教えてもらえず、緊急連絡先が無く大変困ったことがあるとお話されていました。その時は、自腹のバスタオル20枚以上を使って、必死の思いで被害を小さくしたそうです。しかしこんな管理ありますか?と、苦情を述べていらっしゃいました。

 

当社では、緊急連絡先をお渡しし、すぐに対応できるようにしています。
さて、話に戻ります。状況説明してオーナー様に理解を得た後に、業者の手配を行います。管理の大切な仕事の一つに、業者(ベンダー)の管理があります。適正な価格で、きちんと仕事をする業者を手配することです。ここハワイでは「昨日素人、今日プロ!」と名乗るような変な業者もいます。この業者の手配を責任をもち、原因を探り、それに対して必要な修理の細かな見積もりをきちんと取ります。そしてその当事者、今回ではオーナー様へ報告します。特に、その支払い当事者になる方へは適正な見積もりで支払いの承諾を得ます。

 

今回の原因は、テナントがシャワーを使用した際に、排水管の劣化から下のバスルームの天井に水漏れしていました。排水による水漏れですが、メインの排水管ですと建物の責任になりますが、メインから各ユニットへ枝分かれした排水管の劣化で、これは各ユニットのオーナーの責任になるとのことでした。

 

オーナー様に状況説明を写真も添付して、わかりやすく伝え、そしてオーナー様が納得した上ですべて進めていきます。修理を進めてよいと決めるのは管理者ではなく、オーナー様です。「管理してます、週末なのに呼び出されました、こんな被害です、被害額はいくらです、責任はあなたです、請求書添付します、お支払いください・・・」では、いけません。その辺をはき違えての管理業者には注意が必要です。

 

そして、被害の対応をオーナー様の立場に立って、真摯に誠実に対応することによって、感謝が生まれるのです。このお客様は、良くわかってくださって、緊急に要した費用、排水管の修理、そして、下の部屋の天井の修理(レストレーション)をすべて承諾していただきました。そして何より嬉しいのが、最後に「ありがとう」と言っていただけたことです。

 

私は、いつもトラブルはチャンスだと思っています。なぜなら、そこでどのように対応するかで、大きな差が生まれるからです。特に海外で、言語の壁、また時差もある状況だからこそ、オーナー様の立場に立って、右腕のように動いてくれれば、感謝していただけます。当社では、この管理部門に力を入れています。

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