ハワイへの社員研修旅行から学ぶ新米社長としての心得

弊社で別荘管理をさせていただいている大手会社社長のM様。年に4-5回はいらっしゃっり、ハワイ滞在をエンジョイされています。真の晴男で、小雨がふっていても一気に晴れ上がる才能の持ち主です。ハワイのハーバーの眺めが最高といいながら、夜になるとしっかりカーテンを閉めきり、奥様は折角のハワイの夜景をエンジョイしたいからカーテンを開けてと、これまた、おちゃめなご夫婦でもあります。

 

ご夫婦だけでハワイ滞在をエンジョイしているのではなく、ご自身の社員を約10名ほど年に1-2回、研修旅行と称してハワイにお連れしています。
社長として、経営者として、ハワイに別荘を持ち、それを社員に見せ、共有する、成功像をしっかり部下や社員に伝えるのは、働く側のモチベーションもあがり、ビジネス成功者として、社員を想う姿が本当に素敵と、感銘を受けています。

 

最近も、円安や数年続いたコロナにも負けずに、ハワイにいらっしゃいました。社長は「こういう時期だからこそ、社員をハワイに連れてくる意味があるんだよ、てるよさん、わかるかい?」と尋ねられましたが、私は「わかりません。発想が逆ですね~」とお答えした後、だからこそ彼は大物なのだと恥ずかしくなりました。人と同じことをしててはいけない。ビジネス成功者の基本でした。

 

実際、社員の皆さんは航空券、ホテルはもちろん会社が負担、朝食付きの場合は、その朝にしっかり食べて、毎夕食の社長との会食まで我慢。ある社員の方から、「ハワイは、本当にすべてが高いですね、昼、ラーメンでもと思ってもチップ入れて$30、日本円で4500円? ハンバーガーでも$18、日本円で2700円?」私は日本円での換算は今はやめておきましょうと申し上げましたが、日本から来たばかりでは、円で考えてしまうのは仕方がないことですね。何もできない、お土産一つ買えないと嘆くほどの円安事情です。中には、ハワイに来ていることを家族に内緒で、お土産が買えないという方もいました。その代わり、ビーチや散歩はお金はかからないし、ハワイならではの自然、海、風をエンジョイされていました。

 

社長は社員との夕食に、いつも私を招待してくださいます。社員の生の声が聴け、勉強になっています。ハワイに長くいると、日本のビジネスや会社のスタイルがとても新鮮です。ハワイでは、ビジネスのお付き合いの飲み会はほぼありません。5時に仕事が終わるとすぐに帰宅し、自分や、家族の時間を優先します。ましてや社員研修海外旅行なんて、ほぼ皆無でしょう。

 

ビールでの乾杯、乾杯前のスピーチ、音頭など、私にとっては日本のビジネス宴会スタイルを懐かしく浸れる瞬間でもあります。M社長も終始ニコニコで、とても楽しい会食です。夕食後、お酒がちょっと入ると、社員の皆さんは、仕事の話になります。日本人は仕事に対して本当に真面目で、会社、社長への忠誠心が強いと、自分も日本人として誇らしくも思います。

 

だんだん話を聞いているうちに、なぜ社長が社員をハワイに連れてきたのかが、少しずつわかってきた気がしました。選ばれし10名とハワイという異国だからこそ取れる密な時間で、それぞれの社員の様子を把握しているのだと感じます。個々の日々の仕事への思いや向き合い方。性格や癖。悩みや目標。会社では見えない特技。他の仲間との付き合い方や立ち位置、また、部下への指導はどのようにしているのか?仕事は順調なのか。いろいろ見えてくることが分かりました。
M社長は、常時ご機嫌で、音頭を取り、そしてユーモアのセンスもピカ一です。その都度、それぞれの社員の反応をみています。

 

日本では、何千人も社員を抱えている大企業。一社員、まして一対一で個人的に社長とお話なんかできません。ハワイでのこの時間がとても貴重で、7-8時間も飛行機に乗って社長と過ごすこと自体に意味があることも分かりました。

 

新米社長の私は、この社員の方たちから「てるよさん、覚悟だよ」と言われます。M社長はケラケラ笑いながら、ハワイ一の会社になるよう、応援してくれています。しかし、私には実際に何をどうしたらよいか、あまりに漠然過ぎてわからなかったのです。
そこで、実際にM社長に質問しました。すると急に真面目な表情になり「日々勉強だね。仕事は作業ではなくて、日々真面目に一生懸命必死に、できることをやること。そして心を高め、魂を磨く。利他の心、稲盛さんの経営論だよ」と社員の皆さんと日々勉強会をしていることも熱い眼差しで教えてくれました。新米社長の私にはあまりに次元の高い話でピンとこなかったのは事実ですが、この熱意こそが社長の求心力だということはわかりました。社員はいつも「勉強不足、勉強不足、まだまだM社長のレベルに全然追い付かないです」と話されますが、社長も「いやいや、まだまだですよ、日々勉強です」とお酒を飲みながら話していました。


最後に中村天風さんの本をそっと私だけに見せてくれました。本の中は赤線と、黄色のハイライトでまるで受験参考書のように書き込みもされていました。こんな立派な社長でも日々このように勉強してるのかと思うと、自分の未熟さが恥ずかしくなり、翌日書店で稲盛さんの本数冊とその他のビジネス書を買い込み、読書にふけるようになりました。M社長のお言葉が噛み合い、少しずつ理解できるようになってきたかもしれません。

 

いつも私に強く願いを持つと、本当に叶うのだと教えてくれます。そのようにして稲盛氏に偶然にも新幹線の中でお会いになり、「稲盛先生のお陰で、自分も会社経営しています」とお礼を伝えることができたそうです。M社長の謙虚な姿勢、そして芯から感謝している姿勢に心を打たれました。

 

次回ハワイにお越しになるまでに、ちょっとでも変われたらいいな、と思いましたが、そんなまだまだ軽い私には、本当の情熱、覚悟がまだまだ足りないと感じています。勉強、勉強、日々勉強。

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