不動産売買　究極の相手との距離の縮め方

先代のジニー社長は営業のプロでした。不動産のような大きな商品を扱う時には、神経をきめ細かく、最初の印象を良く、コミュニケーションを図ります。私に、そっと相手との距離を縮めるのに最適な方法を教えてくれました。

「共通点を見つけて、そこで心から共感すること」

ジニー社長は「私は寅年よ、あなたは？」と良く干支の話をします。干支の話題はアジア系の人であれば結構好きな話題であり、かつ相手の年齢が大体わかるという利点があります。相手の年齢層がわかれば、またそこから話の花を咲かせることができ、距離を縮めることができます。

新年のご挨拶でも、「今年は辰年ね、私は寅よ、あなたは？まー、○○なのね、じゃ、私たちは相性がいいわね、うちはね主人も同じ寅だから、寅が二頭だから大変よ。それで、血液型は何？私はあっけらかんとしたB型よ、主人はA型で本当、すみっから隅まで細かくって大変よ、あなたは？あなたのご主人は？」という感じで、心から楽しそうに自分から話し、相手・相手方の情報までをも引き出していくのです。

ここで夫婦の話を出すのは、アメリカンジョークが長けている証拠。日本とアメリカが上手にミックスされたセンスの凄いところです。このような会話をしながら、同時に相手の夫婦関係も見えてきます。ご婦人が強いのか？はたまた亭主関白なのか？そして、不動産の決定権はどちらにあるのか？など、会話を通してゆっくり察していきます。相手にずけずけ質問攻めにしないところに品が表れます。相手に「聞く」のではなく「引き出す・醸し出してもらう」のです。

共感度の高い話題は、出身地です。同郷の話はいいものです。日本のバラエティ番組の「ケンミンSHOW」ような番組が盛り上がる理由もわかります。海外で生活すると特にこの出身地話は面白いです。

「あら、日本から、九州？福岡？ま～私も九州よ、大分なの」と。福岡県と大分県で県が当然異なりますが、海外からみるとほぼ同じで、九州と言うくくりで一つになります。海外では、日本人同士、北海道と沖縄でも、日本から来たという、究極の共通点を作ることができ、なぜが共感できます。

言葉も通じますから、海外に出ると方言なぞ全然関係ありません、日本語が通じるだけで嬉しいものです。こうして共通点を話しているうちに共感していく喜びを感じて、コミュニケーションがとれるのです。

ある日、ふっとアメリカ米本土にいて気が付いたことがあります。私は変わらないのに、居場所が変わると意識が変わるという感覚です。
学生の時は、○○学校と学校対抗戦があり同じ地域なのに敵。高校にあがり区を超えると、今まで同じ区だった小中時代の友達や学校が親しく感じ、札幌の大学に行くと、札幌以外の道外からくる子を見ては、私は生まれも育ちも札幌市と思い、東京に出ると全国区相手に北海道出身になり、日本を出ると、日本人と自然に意識していったのです。

日本も中国の区別もわからないアメリカのド田舎に行けば、私はアジア人。自分は同じ人物なのに、いる場所によって自分の意識が変わっていくのです。この意識の拡大によって、人とのコミュニケーションをとる共通点が増えていきます。海外に出ると視野が広がるという言い方の人がいるかもしれませんが、私は海外に出れば出るほど、他との共通点が広がるのではと思いました。

先日ニュージャージーからの米国人の物件オーナーから電話が入りました。「ニュージャージからですか！わ～嬉しい、BON JOVIの州で、私は大ファン！ベストアルバムは全部持ってるわ♬　しかも、ニュージャージってフットボールNFLのPatriots のTom Brady!がいるわよね。偉大なプレーヤーですよね。現地では実際どうなの？」と仕事の話より先に開口一番嬉しそうに話すと、それから15分ほど、ロックバンドBon JoviとフットボールPatriotsのローカル情報を楽しく教えていただきました。そして
、結局持っている物件を売却したいという話につながりました。

ここで大事なことは「心から」共通点を喜び合う、あなたに会えてよかった、という気持ちです。相手の上に立って自慢しよう、自分の方が偉い、私の方が凄いなどと、上から目線の態度ではこれは逆効果で、あっという間に心が離れていきます。

余談にはなりますが、パスポートなどの公的文書類では、出身地（育った場所）ではなく、出生地（実際に生まれた場所）を記載するケースが多いです。実際に生まれた場所は唯一、一か所です。国籍に記入するのは、出生地の方です。

宇宙規模からみれば、人類皆、地球人なんです。その為に、国際的にコミュニケーションを図るには、公用語である英語必須ということに辿り着きます。
次回のブログでは、この英語について話したいと思います。

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