親切と言って近寄る人には気をつけて。空室物件の悲劇。

H様。当社で長く管理させていただいている大切なお客様です。

 

仲良しの親子で、お母様がハワイ好きだったとのことで、1990年代に土地付きのコンドミニアムを購入されました。当時は時々、遊びに来て滞在するという別荘スタイルでした。社交性のあるお二人でしたので、ご近所付き合いも良く、お隣の大学教授をする日本人ご夫婦とも意気投合し、買い物や観光、夕食を一緒に楽しんでいたそうです。

 

このご夫婦はハワイに住んでいて英語も車の運転も問題なく、いろいろ助けてもくれた大切な友人でした。楽園ハワイに来て、気の合う友人と最高の時間を過ごすのは、何とも言えない贅沢だと感じていました。空港の送り迎えまでも快くしていただき、日本からハワイに行く連絡をすると、空港で待っていてくれたり、日本にいる時は手紙のやり取りまでする親しい間柄でした。

 

ところがある日、勘の鋭かった娘さんは、ご夫婦に連絡をしないで、こっそり自分のコンドミニアムへ行ったことがありました。空き室のはずの部屋で、物音がしたそうです。恐るおそる部屋を空けると、そのご夫婦がそこに住んでいたのです。

 

あまりにびっくりした光景で、最初は信じられなかったようですが、信用というものは一気に崩れます。他にも、この夫婦は自分の家族や友人を招き、勝手に使用していたことが発覚し、水道光熱費の履歴をよく確認すると使用した経過もあったそうです。

 

それを機にこの母娘オーナーは、この夫妻との縁をさっぱり切って、当社に管理を依頼してきました。当社への依頼のいきさつを聞き、我々もびっくりしました。

 

 

親切心で近づいてくる人には本当に気を付けましょう。悲しいことに、日本人が日本人を騙すという実例です。特に、空港の送りは確実にハワイを去るのを確認している手段とも言えます。島国のハワイは飛行機で来るしか交通網がなく、最短でも7時間の飛行機移動がかかる場所です。そこを、逆手に利用する人には要注意です。

 

 

当社ではこのようなお客様を何人か見てきました。本当に悲しくなります。しかし、当社は51年の不動産歴、正直一筋で続けてきています。不信感を持ち、傷ついた経験のあるお客様には信用していただくまで、寄り添い、時間をかけます。

 

 

お陰様でこのお客様とのお付き合いも、10年を越え、今では信頼していただいています。2年前にお母様が98歳で他界される最後まで近くで看病ができたそうです。「てるよさんに管理を任せているので安心よ。ハワイには行けなかったけど、母を最後まで悔いなく看取ることができたわ」とお電話をいただきます。

 

そろそろ物件を売却しようか考え始めていらっしゃるようですが、私はいつも「もう一度ハワイにお越しになってからにしましょう。お母様との思い出話をハワイのビーチでお聞かせください」と伝えています。娘さん自身もそろそろ80歳になり、体調が優れない日もあるようですが、ハワイにもう一度行きたいとお話しされています。

 

今のテナントOさんも快適に暮らしていて、家賃には感謝のメモ付きで小切手を送ってくれる心優しい母娘のお二人であること。その娘さんが今年の5月で高校卒業を控え、その後退去するかもしれないことを伝え、そのタイミングでもう一度ハワイに来ることを提案すると、とても嬉しそうにされています。

 

 

過去に何度も裏切られた人間関係の話を日本から、電話で私にしてくれます。私はいつも驚いてばかりですが、「話はまだまだあるのよ…80年も生きていれば、本当いろいろね。でも私の勘だけは、お陰さまでやはりいいわ!」と大笑いされています。

 

米国確定申告は私がお手伝いしていることもあり、年に3、4回は日本から季節のカード、お茶、のど飴、和柄の製品などを送って下さいます。EメールもSNSしない彼女に、必ずハワイからお礼の電話を入れています。一度不信感をもった経験をされたにも関わらず、私を信用してくださって、本当に嬉しいからです。

 

お返しに、ほんの気持ち程度ですが、ハワイからもハワイアングッズをちょこっと送っています。こうして、信頼関係で繋がっているのが、いかに貴重で大切な宝物かと日々感じながらお客様と連絡しています。

 

最後に添付のひな祭りのこのカードは、Hさんから、今年届いたものです。会社に入り口に飾っていつも想っています。

 

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