ハワイでのアプライアンスの故障はどう解決?プロの仕事術
テナントL様、オーナーO様での乾燥機事件
O様が所有している高層階のコンドミニアムに、当社でもう15年も住んでいただいているテナントのL様は、まるで自分の自宅のように大切に、そしてどこにも引っ越しはしたくないと、感謝して暮らしています。
オーナーも、15年もの長い期間、苦情もなく、滞納も一切ないよりテナントをつけてくれて、とても喜んでくれています。
最近、この部屋の今では珍しいガス式の乾燥機が壊れました。古い物件ですので、乾燥機も相当古いです。テナントから一本の電話が連絡が入りました。「乾燥機が暖かくならないと、明日仕事に来ていく服が乾かなくて困る!何とかして!」と。「承知しました、すぐに修理しますね。ご不便をおかけして申し訳ございません」と不便な状況の中、修理の依頼をしているテナントに寄り添うよう、お詫びを告げ(アメリカではこういう事態でお詫びをしませんが、日本人は気持ちを汲んであげるときに使います)そして、同時にすぐに修理業者をあたりました。
まず、うちでお抱えの業者に電話すると、だれもガス式の乾燥機は直せない。では、コンドミニアムのマネージャーなら、この仕様の乾燥機を他のお部屋でも何件も扱っているはずだからと聞いても、教えてくれない、ガスの修理には関わりたくない。おそらく前にトラブルがあったのかと推測できます。それではと、Googleで “Gas Dryer repair” で検索して、上から順にすべての業者をあたりました。コンドミニアムのタワー式でガスは修理してくれる業者がほぼいませんでした。そのうちの一人の業者が、親切にも「もうリタイヤしているけど、過去にその物件の乾燥機を扱っていた人を教えてあげるよ」と、固定電話とファーストネームのみの情報でしたが連絡先をくれました。ハワイでは、オハナ(家族)の心があるので、このように頼むと大体協力してくれます。
それで、藁にもすがる思いでその人にお電話すると、「アンクゥ、お願いヘルプ!」オハナの心は本当にありがたく、とりあえず見てくれることになりました。オアフの反対側から、1時間以上もかけて駆けつけてくれ、開口一番「はい、まず$150ね」と言われ現金を渡しました。この時点でオハナは忘れ、かなり怪しかったのですが、私はすがる思い。。。そして、乾燥機を分解しだして、「これ見て」と指をさしたところをのぞくと、中でガスが焦げ、着火の部分がもう駄目になっていました。「火事にならなくてよかったね」と、恐ろしい言葉をいわれましたが、なんとか冷静を装いました。「で、これ直せる?」って聞いたら、「もう古すぎてパーツもないし、ここの着火が焦げちゃって駄目だね、直せない」と。ここで諦めるわけはいかず、「で、どうしたらいいの?アンクゥ、どうしても乾燥機を使えるようにして欲しいんだけど」と言っても新しいものを買うしかないの一点張り。「在庫ある?どこにある?」と聞いたら、「ガスは難しいし、このタワー式の小さなスペースのはもうないよ。しかも、水道の元栓が水漏れしてシャーシャーっていってるよ」あ~、苦難の上にさらに苦難!でも、諦めるわけにはいかない。「アンクゥ、なんでもいいから在庫あたってくれる?」とごり押し。
そしたら、オハナの心がまた芽吹き、「あ、もう店は閉めてるけど、ここに在庫があればラッキーだねと、電話してくれました」電話の先は、またリタイヤしたおじいちゃん。「あ~あ~その建物ね、ぎりぎり最後のがあるよ、$1800だけど、いい?」と。私は即答でOKしました。この状況はまだテナントにもオーナーにも説明していませんでしたが、ここで抑えておかないとこの問題が解決しないと、自分で即判断しました。
タワー式の乾燥機は、乾燥機が壊れると、下の洗濯機も一式で購入しなくてはなりませんでした。そして、今回は、ガスを止め、そして水道の元栓も修理する必要がありました。小さなスペースにタワーの洗濯乾燥機を入れてしまうと、元栓もガスも全然届かなくなるので、あとで修理は難しいからです。
すぐに、タワー乾燥機の配達日の手配、ガス屋さんの手配、水道業者の手配、そしてテナントへの連絡をしました。皆が合う日を調整し、私ももちろん立ち合いました。
オーナーには、この時点ですべての報告をしました。
まさかの水漏れまで発覚したので、報告には心を痛めました。ですが、逆に今わかって良かったですね、そして乾燥機も火事や事故につながる前にわかって良かったですねと、安心してもらえるよう報告に気を配りました。同時にオーナーから良かったですね、と言ってくださったので、本当に救われました。
乾燥機を運び、ガスも水道業者も皆集まり、最後の試練がこれ、排気口がないと言われました。ありえない!だから熱が今まで籠っていたのね!と。さらに天井に這っている水道管が低く、新しい乾燥機が奥までグッとはいらず、その小さなスペースのドアが閉まらない。私は、迷いもなく「では、排気口の筒は表に出してもらって、その下の受け皿は定期的に水を取り替えて、ドアが閉まらないなら、ドアを取ってください」と業者に指示しました。ちゃっかり、その業者に来たついでにドアも取ってもらいました。
テナントには、ちょっと見栄えが悪いけれど、機能的にはこれが一番、排気口も外付けで熱が籠らず安全なのでと説明し、納得してもらいました。それよりもすぐに乾燥機が使えるようになった方が嬉しかったようで、ホノルルクッキーと共に、お礼をしてくださいました。
立ち合ったおかげで、業者から直でいろいろな説明をうけたので、勉強にもなり、オーナーにも、正直そのまま現状を伝えました。ドアを取り外した状態になった新しいタワー乾燥機は写真を撮って、丁寧に説明させていただきました。そして、お支払いですが、私が一時緊急で全部立て替えたのですが、結果的に修理前の見積もりに近い請求でしたので、快く承諾してくださいました。
結果的にテナントとオーナーから喜ばれ、信頼を得ることができました。何より自分で得たこの経験は、決断力でした。
そして、ハワイの優しいオハナの心を感じました。ローカルの業者・コミュニティを上手に使うというのは、ハワイでビジネスをしていく上でとても大切というのも学びました。
使命を忘れない、ハワイから離れているオーナーにこそ、わかりやすい状況説明を心がけ、解決策を提案し、不安を解消し、安心を与える。トラブルは、お客様に心配させずに、迅速に解決します。そして、そのトラブルを上手に解決することで、お客様との信頼関係が生まれると思っています。
オーナーとテナント、両者とも、大切なお客様。一期一会の出会いを大切に、お客様に寄り添い、信頼関係を築くことを心がけてまいります。
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