物件売却時にも影響。ハワイの物件改装と施工業者の落とし穴

ある日お客様から所有物件を売却したいと連絡が入りました。カギは当社に日本から送ってくださいました。このように当社や私を信用されると、本当に嬉しく、期待に応える以上の仕事をしようと気合が入ります。

 

さて、ワイキキの真ん中の高級物件ですが、早速お部屋を見て価格の相場を決め、マーケットに出しました。吹き抜けのデザインが開放的で、ビューも見晴らしが良く、ラナイもかなり大きく、日本の浴槽も特注でついている大改装済みのピッカピカのお部屋でした。$2ミリオン相当の豪邸です。

 

モダンな仕様でアプライアンスも新品のとても魅力的なお部屋ですので、どんどん問い合わせが来て、サッと話がまとまりエスクローに入りました。
J1(契約書の番号から来ている呼び名)と我々の業界では呼びますが、ホームインスペクションが入りました。すると、水回りに問題がでました。なんとメインの止水バルブがないというのです。お手洗いや、シャワー、洗面器、キッチンには水がでていますからそんなはずはありません。メインの水道管から水が来ていない限り、水は出ないからです。まるでマジックのようです。あちらこちらシンク下、天井裏、いろいろと忍者のように探しましたし、専門の水道業者も呼びましたが、わからないというのです。メインから来る枝分かれしたバルブはトイレやシャワールーム、ランドリールームで確認することができました。しかし、そこにつながってるはずのメインはどうしても見当たりません。

 

建物のマネージャーも来て、建物の構造からこの辺にはあるだろうけれど、確信が持てないため「壁を開けてみるしかないかもね」と言いますが、ピカピカに改装済みで、壁も綺麗なのに壊すことは、どうしてもしたくなかったのです。

 

オーナーの修理履歴から、当時の改装業者もなんとか見つけ、問い合わせましたが、さすがハワイの業者で当時のことは覚えていないと言います。当時のブルー図面を探し出し調べましたが、見つかりません。さらに遡って当時の改装に携わった不動産業者を見つけ電話しましたが、「当時のことは覚えていない」とまるで悪○政○家のお決まり文句の回答のよう。ここまで来ると、私は秘密探偵なのか、捜査員なのか、なんだかわからなくなってきました。

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絶対どこかにはある!でもどこ??と摩訶不思議なお部屋に数日頭を悩ませまた結果、ふっと冷静になり、「あまり、これにばかりこだわってはいけない」と、目を覚まし、不動産エージェントとしてこの物件を売却するのが役目だったと、自分の使命に戻りました。

 

正直に、購入希望者にディスクロージャーステイトメント(開示報告書)で、「メインの水道バルブがどこにあるかわかりません」と、誠実に報告しました。それでも購入者は買いたい意思があること、J1をクリアするのに、売り手・買い手の両者が納得する金額をクレジットすることで、交渉力が実り、話をまとめました。

 

このように、一見ピッカピッカに改装されたお部屋でも、欠陥改装の場合があります。そのために、ホームインスペクターも入れ、わからないもの、見当たらないものは、きちんと開示報告して、正直な取引をいたします。

 

専門家のプロをいれて、誠実な不動産エージェントを付け、正直な不動産売買をすることはとても大切です。
見た目だけで、素人判断でのこの物件は良いと決め込んでしまってはいけません。また、建築許可も取らないような違法改装業者にかかわるのも、今後の売却に大きく影響がでますので、気を付けましょう。

 

その為に、我々のような不動産エージェントがおりますので、いつでもお気軽にご連絡ください。安心安全のハワイ不動産管理会社をいつも心がけております。

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